小説

久しぶりにおもしろい小説に出会い

一気に読んでしまった。

おもしろいっていう割には

タイトル覚えてないんだけどね。

向田邦子さんの小説で

古本屋さんに並んでたもの。

向田邦子さんの小説なら間違いないだろうと手に取り

案の定間違いなかった。

 

内容は堅物の男性の23歳の娘が

頼りない彼氏

…当初この父親はこの”二流彼氏（と言っている）”が好きでなく、

煙たがっていた…

と付き合っていたにも関わらず

「好きな人ができたから」とあっさり交際を

一方的に解消してしまう。

 

その「好きな人」というのが

妻子持ちのイラストレーター。

浮気性のこのオトコ、

幾度となく浮気を繰り返し

奥さんも気づいてはいるものの

別れられずにいた。

 

そしてこの二人、

マンションを借りて半同棲を始めようとする。

 

その間他の登場人物もいたり

娘の母親と不倫相手の奥さん、

堅物の父親と不倫相手、

この2人を影で応援する行きつけの居酒屋の夫婦などなど

なんだかんだオモシロイ絡みがあるんだけど。

そこはおいといて・・・

 

物語り後半。

この娘がこのまま妻子持ちと付き合っていても

ろくなことがないと別れを決意するが

お互いが惹かれあいまたズルズルと関係を戻してしまい

挙句の果て妊娠してしまった…

 

そこに現れたのは元カレ。

自分にはもうチャンスはないとわかっていながら

切に彼女のひなたの幸せを願う。

そんな中彼女の妊娠を知る。

中絶した日、病院まで迎えに行き

「送っていく」と言い出す。

 

実家まで送る元カレ。

両親も妊娠、中絶の事実を知っているのに

「彼女、想像妊娠だったんですよ。

よくあるらしいです。

お腹も大きくなってつわりのような症状もでるらしいですよ」と話す。

彼女が違う…と言っても

「想像妊娠だった」と言い張る。

父親もわかっていながら

「そうか、想像妊娠だったか…」と涙する。

 

私がこの物語りの内容をこの場で伝えても

やっぱり伝わらないな…

 

私はこのシーンでウルっときてしまった。

この不甲斐なく頼りない元カレ。

でも彼女の辛い過去を責めるのではなく

「優しいウソ」をつくあたりに

一途な想いを感じた。

 

傍から見ると頼りなさそうに見える人でも

パートナーにするには

やっぱりこういう人だよね、と思う。

でもソレに気づかないんだよねー。

これが俗にいう「男を見る目」ってやつだな。

 

自分のことはさておき

あーだこーだ想像したり

自分や他人に置き換えたりできるのは

やっぱり小説かな、と思う。

テレビだと演じた俳優さんに影響されちゃうからね。

 

またヒマを見つけては

読書もいいな、と感じたのでした　(*´ω｀*)

 

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